最新情報
キングレコード(株)に所属されている福田こうへいさんと、鏡五郎さんのCDタイトルを筆文字デザイン制作させていただき、「曲のタイトル」ページに画像等を追加いたしました。
福田こうへいさんのCDアルバム
筆文字:魂こころ
発売日:2017年8月23日(水)
内容:このアルバムは、2017年9月1日(金)~9月21日(木)の期間、大阪の新歌舞伎座で開催予定の「福田こうへい特別公演」にあわせて発売。昭和の歌謡界をリードした4大歌手三波春夫さん、村田英雄さん、三橋美智也さん、春日八郎さんのヒット曲を福田こうへいさんが歌い上げ収録。収録曲は大利根無情・雪の渡り鳥・お富さん・古城・武田節(詩吟入り)など全12曲。
鏡五郎さんのシングルCD・カセットシングル
筆文字:千鳥の舞
発売日:2017年7月26日(水)
内容:はぐれ千鳥の啼く声に偲ぶ都のあのひとを、と恋しいお方を慕う情感漂う曲。また、この曲は舞踊曲としても適しているようです。「千鳥の舞」のほか「織田信長」も収録。
筆文字作品は色々な媒体に使われます。半紙に毛筆書きをしたもの、そのものだけではほとんど意味がありません。
書き損じた筆文字は、ほとんど捨てられます。曲のタイトルの製作を依頼された場合、そこには必ず筆文字の使用目的があってのことです。上の写真『魂 こころ』は筆文字と福田こうへい氏を目立たせる目的となっております。福田氏といえば演歌歌手であるということを、ほとんどの人が知っていると思います。このCDは福田氏が歌っているとすぐに判断できます。背景には山と空、筆文字は活字に無い味わい深く魅力のあるものにしようと試みました。
辞書によると、人の魂の意味は「人の肉体に宿る精気」とあります。とても堅苦しい言葉で親しみが湧きません。その魂を”こころ”と読ませた作者は凄いと思います。それに合わせた筆文字を要求されるわけですので、非常に難易度が高いと思いました。
福田氏は後世に残ると思われるほど、とても昭和の時代の歌が得意です。そのことを踏まえた上で、昭和の安定したどっしりと落ち着いた時代を思ったとき必要不可欠な筆遣いは力強さだと思いました。そして躍動する時代でもありましたので、用筆には隷書を取り入れたりもしました。この様なかたちでCDを制作するのに作曲家、作詞家、歌手に限らずプロとしての大勢の人が携わっているのです。
また、上の写真の『千鳥の舞』ではすべてが和の文化で成り立っています。背景の屏風といい、舞扇子といい、盆栽といい、鏡五郎氏の出で立ちといい、どう見ても純日本的に構成されています。『千鳥の舞』の筆文字をここに収めるわけですので、これもかなり難易度が高いものでした。ゴシック体や明朝体などのフォント文字や汚い文字、また力強さだけを狙った筆文字の揮毫はCD全体の画像としての分野を台無しにしてしまします。
この筆文字を書くにあたって大事にしたことは線に迷いがあってはいけない、方筆はできるだけ使わない、どこかキリっと締まった若干緊張感のある文字で、且つ線は細めに制作しました。この様に制作することで筆文字と空間の美しさが広がり、鏡氏の『千鳥の舞』をCDを通じて世に送るのに私(伊藤月山)の毛筆は活かされていると思っております。