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【公開日:2022.11.05 最終更新日:2022.11.06】
書家・書道家の伊藤月山(白水)氏の筆文字をご覧になった方から、座間市で一番上手と言われたことが何度かあります。しかし、書道大学代表作家に選ばれたことはありますが「座間市を代表するほどの上手な書道家ではない。大それている。」と申しておりました。
月山(白水)氏は、座間市社会福祉協議会の建設のために販売目的の個展を開き、その売り上げの一部を建設資金に少しでもお役に立てていただきたいと座間市役所へ行き、元星野市長や大勢の部長クラスの方と面会し、その場で寄付金を手渡しました。その場で、市役所の○○○で筆文字作品を展示したら如何かと打診いただきましたが、自分は座間市を代表する書道家ではないと考え、折角のお話ですが辞退しました。
月山(白水)氏は、座間市に在住してかれこれ50年になり随分お世話になったと申しておりました。風舞書(ふうぶしょ)®の創始者、第一人者等と呼ばれ大企業様はじめ、個人個人の皆様においてもお褒めの言葉をいただき現在、筆文字制作に忙しい日々を送っています。
その、お世話になった中に座間市内の公園があります。仕事のご依頼が来ていても、暇をみては神奈川県立座間谷戸山公園に行っていました。月山(白水)氏は、書道の話をする時いつも風舞書が生まれた理由に夢中です。以下、月山(白水)氏の言葉を記します。
「座間谷戸山公園は、私の風舞書の先生です。自然の中の花や木や草の舞う姿、そこに目に見えない風の姿を知りました。ある時は木の枝が動くのを見て「鷲」という文字、聳え立つ木を見ては「鶴」を、等々自然にこそ書の芸術味が沢山あります。
書道は習字と違い、芸術としての観念がハッキリとしている。感覚や感情は習字では表現できません。座間谷戸山公園に限らず、座間市の芹沢公園で作品の仕上げ方を教えていただきました。例えば、細い木の細い枝を見たとき、何とも神経質で几帳面な姿であろうかと思いました。それを筆で表現するのに細く直線的に制作し、また大木を見た時どっしりと力強く感じます。筆での表現は、太めの筆で側筆を用い、中鋒での送筆を行いません。太くて柔らかい樹を見たとき、これも太めの筆で起筆は蔵鋒、送筆は中鋒で。―この様に言うとと座間の書道家を代表する人と捉える人がいるかも知れませんが、誤解しないで頂きたいです。ついでなのでもう少し言いますと以前よく、美しい筆文字が欲しいというクライアント様のご要望がありました。その場合、美しいと言ってもどの様な美しさなのか打診してみました。
鶯が木の枝に止まっているような雰囲気の筆文字を書いて欲しいという実に抽象的なご依頼を受けたことがあります。その時、『座間谷戸山公園で鶯が鳴いている』そんな雰囲気を思い出し、行書体をモチーフにしながらトゲトゲしい表現は禁物なので起筆は蔵鋒、収筆は筆の先を隠し、加えて太くなり過ぎない中に太い・細いの変化をハッキリつけました。
怒っている表現は、風の強い日に芹沢公園を散歩している時かなり多くの木の葉が舞っていたことを思い出し、それを筆で表現することにしています。その場合、起筆は露峰、送筆はなりふり構わず素速く、かすれを出します。
静さを表現する場合、誰もいない座間市の相模川に1人佇んでいる姿を思い出します。時がよったりと動いているのを感じました。その川の流れる音が、時の流れを表現しているかのようでした。この場合の筆文字表現は、まず静かな心になるまで待ちます。うさかさした心で書くには無理があります。筆を持つ手は力まず、自分の肩に力が入っているかどうか確認し力が入っていないとしたら、送筆は筆の進む方向に倒しゆったりと進ませます。
座間市の公園や川等から多くを学んで風舞書を考案しました。神奈川県座間市には、川・花・森林・鳥・湧き水等々、自然がたくさん残っており、この自然こそが私の風舞書の先生であることは確かです。」
今後も、当ブログにて座間市についての記事を掲載していきたいと思います。
― 書家/書道家 伊藤月山事務局より ―