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書道の世界における墨色の変化の妙

2015.02.23

書家/書道家 伊藤月山の淡墨
画像:書家/書道家の伊藤月山による淡墨表現(墨運堂様の墨を使用)

書道用品として大事な文房四宝の中で、墨の色はとても奇奇怪怪のものと思います。
真っ黒に近い黒もあれば、白に近い黒もあります。その色が、筆文字制作に携わって何十年に亘って飽きない要素の一つです。

老舗の製墨メーカーである墨運堂様は、墨を磨るときの水温によって発墨の良し悪しが変わり、硬水で磨るか軟水で磨るかによっても書き味が違ってくるとおっしゃっています。
また、書家で東京学芸大学名誉教授であった小木太法先生との対話の中で、古今東西誰が一番淡墨の出し方が上手かと伺ったことがあります。ご本人だというお答えが返ってくると思っていましたが、意に反して手島右卿先生に勝てる人はいないとおっしゃっていました。
なるほど、実際の手島右卿先生の直筆作品も私など足元にも及ばない、その様な筆文字作品でした。しかしながら、両先生の直筆作品において優劣はつけ難いと思っております。

今後は、私は淡墨の勉強もしていきたいと思っております。

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